革特有の艶感や高級感をベッドに取り入れたレザーベッドは、ハイスペック志向の人に人気が高くなっています。
ホテルライクな外観は海外インテリアとの相性も良いですし、スタンダードなブラックだけでなくホワイトのレザーベッドも注目が集まっています。
とは言えレザーベッドは通常のベッドと異なるので、失敗しないためにはメリット・デメリットを抑える事が大切です。
そこでこの記事では、レザーベッドのメリット・デメリットに加えて、使用されている素材の特徴についてご説明したいと思います。
レザーベッドのメリット
レザーベッドは、木製のベッドにレザー(本革・合皮)を貼り合わせています。
またレザーと木材の間には、ウレタンなどのクッション素材を詰めてあります。
そのため、
- 高いインテリア性
- 子供がぶつかっても安全
- もたれかかっても心地よい
- 防水効果がある
と言ったメリットがあります。
1.高いインテリア性
レザーベッド一番の魅力は、その高いインテリア性です。
寝室にレザーベッドを置くと、見た目の高級感と圧倒的な存在感によって、非日常の空間に早変わりさせる事が出来ます。
優しいフォルムはムードもたっぷりなので、新婚夫婦に特に人気が高くなっています。
2.子供がぶつかっても安全
木製ベッドの場合、硬い木材がむき出しになっているので子供が遊びまわっているとぶつかって怪我をする事があります。
特に尖っている角に頭をぶつけると、出血を伴う大怪我になる危険性もあります。
しかしレザーベッドでは内部にウレタン素材だ入っているので、ぶつかっても衝撃を吸収してくれるので安全です。
3.もたれかかっても心地よい
レザーベッドでは、ヘッドボード部分にもたれかかる事が出来ます。
背もたれ部分がソファーのようになっているので、就寝前のひと時を優雅に過ごす事が出来ます。
特にヘッドボード上部がフラットになっているソファーベッドでは、スマホや本を上に置く事が出来るのでよりリラックスする事が出来ます。
4.防水効果がある
レザーベッドに使用されているPVCやAPUと言った素材は、防水効果に優れています。
赤ちゃんや小さな子供がいるご家庭では、ミルクや飲み物をこぼしてしまう事がありますが、すぐに拭き取ればシミになる事もありません。
中性洗剤を薄めた液で汚れを拭きとる事も出来るので、常に清潔な状態を維持しやすいメリットがあります。
レザーベッドのデメリット
レザーベッドではメリットもたくさんありますが、購入前にはデメリットを抑えておく事も大切です。
特に注意したいのが、
- 値段が高い
- 白いベッドは変色しやすい
- ひっかき傷が出来やすい
- 湿気やカビに弱い
- 棚やコンセントが付いていない
- 引き出し式はレザーがめくれる事もある
- コーディネートが難しい
と言ったポイントです。
1.値段が高い
レザーベッドに使用されているのは、本革・PVC・PUと言った素材です。
本革か合皮かによっても異なりますが、通常のベッドと比べると値段が高い事には変わりありません。
本革のレザーベッドであれば50万円~100万円程度するものもありますし、合皮のレザーベッドでも木製に比べると3万円~5万円程度高くなっています。
2.白いベッドは変色しやすい
黒いレザーベッドはかっこいいですが、少し重苦しい雰囲気になりがちです。
そのため最近では白いレザーベッドの人気が高くなっています。
但し白いレザーベッドでは、紫外線によって変色する事があるので注意が必要です。
バッグなどでも同じですが、白い革製品は太陽光に長期間当たっていると薄っすらと黄色くなる事があります。
紫外線が当たらない場所に置く
白いレザーベッドを選ぶのであれば、極力直射日光が当たらない場所に配置するようにしましょう。
またカーテンを遮光性が高いものにかえたり、窓ガラスに遮光フィルムを貼るのも有効です。
3.ひっかき傷が出来やすい
ペットを飼っているご家庭では、レザーベッドにひっかき傷がつく事があります。
レザーベッドは水拭きも出来ますし、帯電しにくいのでペットの毛も簡単に掃除をする事が出来るメリットがあります。
しかし犬や猫がベッドに上り下りする際には、爪を立ててしまうのでどうしてもひっかき傷が出来てしまいます。
多少であればブラッシングやオイルを塗る事で目立たなくなりますが、猫の爪とぎだけは注意が必要です。
猫の爪とぎは専用のグッズを置いて対策
猫の肉球には、強い匂いを放つ「臭腺」があります。
爪とぎをすることで臭腺の匂いをつけて、自分の縄張りを主張しているのですが、レザーベッドで爪とぎをされるとせっかくの高級感が台無しです。
猫の爪とぎは本能的なものなので、爪とぎ専用のグッズを置いてベッドや家具、畳の上では爪とぎをさせないように躾をしましょう。
4.湿気やカビに弱い
日本は高温多湿なので湿気対策を怠ると、すぐにカビが生えてしまいます。
そのため木製ベッドの中でも、すのこベッドのように通気性を良くする工夫がされているものが多くあります。
一方レザーベッドは、木製ベッドに皮を貼り合わせているので、通気性がかなり悪くなっています。
湿気対策は必須
レザーベッドでは湿気でカビが生えやすいベッドなので、湿気対策は必須と言えます。
カビの餌となるのは人間の皮脂やフケなので、皮のお手入れをして清潔に保つことに加えて、ベッドの除湿にも気を配りましょう。
湿度が高い梅雨時などは、定期的にマットレスを立てかけて乾燥させたり、エアコンの除湿機能を使い部屋の湿度を下げるのも効果的です。
5.棚やコンセントが付いていない
レザーベッドには、基本的に棚やコンセントが付いていません。
一人暮らしをされている方の場合、横になりながらスマホを触る機会も多いと思いますが、レザーベッドではそのような使い方をする方には不向きです。
眼鏡やスマホを置く場所も限られていますし、スマホを充電する事も出来ません。
その代わり優雅な気持ちで、心身ともにリラックスするには最適なので、睡眠の質を向上させたいビジネスマンにはおすすめとなっています。
6.引き出し式はレザーがめくれる事もある
一般的なレザーベッドには引き出しは付いていませんが、稀に引き出し式のレザーベッドがあります。
洋服や小物を収納するのに便利ですが、引き出しを何度も開閉していると皮がめくれてしまう事があります。
そのため引き出し式レザーベッドを選ぶ場合には、丁寧に扱うとともに使用頻度が低いものを収納するようにしましょう。
7.コーディネートが難しい
レザーベッドは存在感があるので、広い寝室に置くとグレードがワンランクもツーランクもアップします。
しかし狭いワンルームマンションや、和室の部屋に置いてしまうと、調和が取れずにベッドが浮いた感じになってしまいます。
おしゃれなコーディネートを目指すなら、最低でも8畳の洋室に置いて、ベッドスローやサイドテーブル、間接照明などを組み合わせるのがおすすめです。
皮の種類と特徴
レザーベッドと言うと本革をイメージされるかもしれませんが、実際にはPVCやPUと言った合皮が主流となっています。
また最近ではAPUソフトレザーと呼ばれている、高品質な合皮素材も出てきています。
皮の種類によってメンテナンス性や耐久性などが異なってきますし、傷などの目立ち方も変わってくるのでそれぞれの特徴を抑えておきましょう。
本革
本革には、牛皮や羊皮などを材料にしているレザーベッドがあります。
メリットとしては、
- 高級感がある
- 寿命が長い
と言った事があります。
最近では高品質な合皮も増えてきていますが、見た目だけで言うと本革にはかないません。
肌触りも滑らかですし、皮本来の風合いを愉しむ事が出来ます。
引っかいたような小さな傷「バラキズ」や、動物が生きていた時に皮膚のシワ「トラ」、色の濃淡などは天然素材の証でもあり、これらがある事でより一層味わい深いレザーベッドに仕上がっています。
但しメンテナンスが難しい上に、取れる量も限られているので値段は目が飛び出るほど高くなっています。
合皮
一方合皮は、天然の布地に合成樹脂を塗布したものです。
合成樹脂には、ポリ塩化ビニール(PVC)やポリウレタン樹脂(PU)が使われていますが、
- 値段が安い
- 水や汚れに強い
と言ったメリットがあります。
本革と違い大量生産が可能な合皮は、値段を大幅に安くすることが出来ます。
また合成樹脂はビニール製品などと似ているため、水や汚れに強い特性を持っています。
色も均一でベッドによって風合いが異なる事もありません。
PVCレザーの特徴
合皮の中でも、PVC(Polyvinyl Chloride)レザーは表面が硬く、ツルツルとした肌触りになっています。
水や汚れに非常に強く、水拭きや中性洗剤を使って掃除する事も出来る上に、値段がかなり安くなっています。
またカビやダニが繁殖しにくい特性を持っているので、喘息などのアレルギー症状がある方にもおすすめです。
加工性にも優れているので、色合いもホワイトなどカラフルなレザーベッドに仕上げる事が出来ます。
一方通気性は良くないので、長時間肌が触れていると蒸れてべとつき感が出やすく、経年劣化によってひび割れを起こしやすいデメリットもあります。
PUレザーの特徴
PUレザーは別名「フェイクレザー」と呼ばれていて、PVCレザーに比べると柔らかな質感が特徴です。
本革に近い質感と外観を備えていて、柔軟性と弾力性に優れています。
PVCは硬いので直線的なフォルムに適していますが、PUは柔らかい曲線にも対応する事が可能です。
通気性は多少あるので、PVCに比べるとべとつき感は少ないですが、それでも多少貼りつく感覚は残ります。
デメリットとしては加水分解を起こしやすいので、湿度が高い状態が続くと表面がボロボロになりやすい事が挙げられます。
撥水性はありますが、加水分解を遅らせるためにもメンテナンスは乾拭きが基本となります。
APUレザーの特徴
合皮の中でも「スーパーソフトレザー」と呼ばれているのが、APUレザーになります。
触った感触だけでなく艶感もあるので、合皮の中では一番本革に近い素材と言えます。
伸縮性があり劣化しにくく、傷もつきにくい特性を備えています。
値段はPVCやPUに比べると若干高めですが、本革よりは遥かに安く購入する事が可能です。
メンテナンスが簡単で高級感もあり、寿命も長いので、長い目で見ると一番おすすめの素材となっています。
まとめ
レザーベッドは高級感があり、ウレタン素材などを詰めてあるのでクッション性も良いメリットがあります。
但し革製品は傷がつきやすいので、ペットを飼われているご家庭では注意が必要です。
またレザーベッドの中でもPVCやAPUソフトレザーは、防水性が高いので水拭き出来ますが、PUは加水分解をしやすいデメリットがあるので乾拭きでメンテナンスをしましょう。