畳はい草を編み込んでいるので適度な弾力性があり、硬めの寝心地が好きな方におすすめとなっています。
畳ベッドなら洋室でも布団を敷いて寝る事が出来るので、マンション住まいの方でも大丈夫です。
しかし通常のベッドに比べてカビが生えやすいのも事実。
そこでこの記事では、畳ベッドにカビが生える原因と、効果的なカビ対策方法についてご紹介したいと思います。
カビが生える3つの要因
カビを予防するためには、どのような環境でカビが生えるかを知っておく必要があります。
カビはお風呂場やトイレ、キッチンなどで良く見かける事から分かるように、
- 高い湿度
- 適度な温度
- 餌がある
と言った環境を好みます。
1.高い湿度
カビは湿度が65%以上で繁殖を始めて、80%を超えると爆発的に増殖します。
日本では3月から11月まで平均湿度が65%を超えているので、カビにとっては繁殖しやすい気候と言えます。
また胞子から芽を出したカビはあっという間に「コロニー(生物集団)」を形成して、部屋中に胞子をまき散らします。
カビの胞子を吸い込むと、喘息などのアレルギー症状や夏型過敏性肺炎、気管支肺アスペルギルス症を引き起こします。
また皮膚にカビが付着する事で、水虫などの皮膚疾患を発症する事もあります。
そのため、畳ベッドが湿気ないようにする事がカビ対策では不可欠です。
2.適度な温度
カビが好む温度は、20度~25度の間となっていて、人間が快適に感じる温度と変わりません。
日本では5月から9月頃まで高温多湿の気候が続くので、夏場は特にカビが繁殖しやすくなります。
但し温度が40度以上になると死滅するので、カビ対策には高温の環境にする事も効果があります。
3.餌がある
カビは人間の皮脂やフケを好みますが、畳ベッドに使用されているい草や木材、塗料、接着剤を餌にする事もあります。
それ以外にも、シーツやカバーの繊維、ほこりなどもカビの餌になります。
あらゆる有機物を餌にするカビの繁殖を防止するためには、衛生的な環境を整える事が大切になってきます。
畳ベッドはカビやすい?
このようにカビは高温多湿で餌があれば、何処にでも根を張り胞子をまき散らして増殖します。
しかも畳ベッドは通常のベッドと比べると、湿気やカビに弱いデメリットがあります。
と言うのも、
- い草が湿気を吸収する
- 敷布団は通気性が悪い
- 畳の目の中に湿気や汚れが溜まる
と言う特徴があるからです。
1.い草が湿気を吸収する
天然のい草を使用している畳は、湿度が高い時には空気中の湿気を吸収して、乾燥すると吐き出す「吸放湿性」に優れています。
そのため、寝汗をかいても畳ベッドの表面はいつでもサラサラと快適な肌触りになっています。
しかし畳ベッドの上に敷布団を長期間敷いていると、畳が吸収した湿気が中に籠ってしまうためにカビが生える原因となります。
2.敷布団は通気性が悪い
マットレスは中にコイルが入っているだけなので通気性が良く、湿気が溜まっても比較的乾燥しやすくなっています。
一方敷布団は綿やウールが詰め込んであるので、一度湿気が籠ると湿度が高い状態が長期間続いてしまいます。
人は寝ている間にコップ一杯分の汗をかくので、敷布団を定期的に乾燥させないとカビが生えやすくなります。
3.畳の目の中に湿気や汚れが溜まる
畳ベッドは、布団を片づければ「小上がり」としても活用する事が出来ます。
そのため畳ベッドの上でお菓子を食べたり、ジュースを飲む事もあるかと思います。
しかしお菓子やジュースを畳の上にこぼすと、中まで浸透してしまい綺麗に洗う事が出来ません。
畳の目の中に入り込んだ糖分や湿気を餌にしてカビが繁殖するので注意が必要です。
畳ベッドのカビ予防方法
畳ベッドのように寝具にカビが生えると、寝ている間にカビの胞子を吸い込むので、健康的にも良くありません。
ではどのようにして、カビを予防すれば良いかと言うと、
- 布団を毎日片づける
- 布団乾燥機で畳ベッドを乾燥させる
- 畳を立てかけて湿気を追い出す
- シーツ・カバー類を小まめに洗濯する
- カビに強い畳ベッドを使う
と言った方法が効果的です。
1.布団を毎日片づける
「ベッドなので布団は片づけなく良いのでは?」と考えがちですが、これは間違いです。
先述した通り、敷布団はマットレスに比べて湿気が籠りやすいので、万年床にするとすぐに畳表や敷布団の裏側にカビが生えてしまいます。
朝起きたら掛け布団をどけて寝具の湿気を追い出してから、布団を片づけるようにすると乾燥した状態で保管できるのでカビ対策には有効です。
2.布団乾燥機で畳ベッドを乾燥させる
カビ対策で是非活用して欲しいのが、布団乾燥機です。
カビは40度以上の高温で死滅しますが、布団乾燥機は60度以上の温度にする事が出来ます。
畳に直接布団乾燥機を使うと、畳表が痛んでしまうので、布団を敷いた状態で20分~30分程度乾燥させるようにしましょう。
こうする事でカビを死滅させて、寝汗を吸収した布団もカラッと乾燥させる事が出来ます。
3.畳を立てかけて湿気を追い出す
新しい畳表は吸湿性が高いので、湿気をたくさん含んでいます。
そのため半年に1回程度で良いので、畳ベッドの畳を立てかけて新鮮な空気を取り込みましょう。
直射日光が当たると畳が日焼けしてしまうので、必ず陰干しするようにして下さい。
4.シーツ・カバー類を小まめに洗濯する
シーツやカバー類は、小まめに洗濯する事でカビの餌となる皮脂汚れを除去する事が出来ます。
シーツは1週間に1回程度、枕カバーは2日に1回程度の頻度で洗濯をするようにしましょう。
5.カビに強い畳ベッドを使う
これから畳ベッドを購入する方は、予めカビに強い畳ベッドを選ぶのもおすすめです。
一般的な畳ベッドはい草を原料としているのでカビやすいですが、「美草畳ベッド」であればカビやダニを寄せ付けません。
水や汚れに強く、ドリンクなどをこぼしても中まで浸透しないので、畳の目の中に水分や糖分が溜まらないので衛生的に使う事が出来ます。
畳ベッドにカビが生えた時の対策方法
畳ベッドを使用する時には、湿度を下げて畳の目の中まで乾燥した状態を維持する事がカビ対策には有効です。
しかし万が一畳ベッドにカビが生えてしまった時には、すぐに対処する事でカビによる健康被害を避ける事が出来ます。
カビの除去に必要なもの
畳ベッドのカビは、
- 消毒用エタノール
- 歯ブラシ
- 空のスプレーボトル
- ゴム手袋
を使って除去します。
エタノールには無水エタノールと消毒用エタノールの2種類がありますが、殺菌効果が強いのは消毒用エタノールになります。
カビの除去手順
カビを除去する手順としては、
- 窓を開けて換気をする
- ゴム手袋をはめる
- 消毒用エタノールを空のスプレーボトルに入れる
- 消毒用エタノールをカビに吹き付けて15分程度放置する
- 歯ブラシでカビがなくなるまで掻きだす
- 再度消毒用エタノールを吹き付けて雑巾で拭く
- 畳をしっかり乾燥させる
- 除去したカビやゴム手袋、歯ブラシ、雑巾をビニール袋に入れて廃棄する
となります。
カビは畳の目に入り込んでいるので、歯ブラシで何度も掻きだす必要があります。
除去したカビはビニール袋に入れて密封しないと、胞子をまき散らして部屋中がカビ臭くなるので注意しましょう。
まとめ
畳ベッドはい草が水分を吸収するため、湿気やすくカビに弱いデメリットがあります。
また敷布団はマットレスに比べて通気性が悪いので、寝汗をかくと水分が中まで浸透してジメジメした環境になります。
高温多湿で皮脂汚れがあるとすぐにカビは増殖するので、畳ベッドでは布団を片づけて、陰干しをするなど湿気対策を行いましょう。