最近のマンションは洋間主体なので、クローゼットはありますが、収納力は今一つではないでしょうか?
そんな方に便利なのが収納ベッドですが、問題は湿気やカビ!
ベッド下に収納を設けてあるため通気性が悪く、知らない間にマットレスの裏面に黒い斑点が出来たり、カビ臭くなる事があります。
そこでこの記事では、収納ベッドのカビ対策方法について詳しくご説明したいと思います。
収納ベッドはカビに弱い?
収納ベッドには、「引き出し式収納ベッド」「チェストベッド」「跳ね上げ式ベッド」の3種類がありますが、いずれもカビやすいデメリットがあります。
と言うのも、収納ベッドは、
- ベッド下に荷物が入っている
- フレームで囲まれている
- すのこ収納ベッドが少ない
と言った特徴があるからです。
ベッド下に荷物が入っている
人は寝ている間にコップ一杯分の汗をかきますが、その汗は湿気となってマットレスの裏側と床板の間に溜まります。
床板の下に十分な空間があれば、湿気ている空気も乾燥しやすくなります。
しかし収納ベッドは床板の下に荷物が入っている分、空気が入る体積が少なく、すぐに飽和状態に達してしまいます。
梅雨時など湿度が高い季節は、すぐに床板やマットレスに結露が溜まってしまうのでカビの原因になります。
フレームで囲まれている
収納ベッドには脚がついておらず、床板がフレームでぐるっと囲まれています。
脚付きベッドであれば、床板の下から新鮮な空気が入り込むので、マットレスも乾燥した状態を保ちやすくなっています。
しかし収納ベッドは下から空気が入り込まないので、一度湿気るとマットレスを立てかけるなどの対策をしない限り乾燥してくれません。
特にチェストベッドや跳ね上げ式ベッドは、気密性が高い分通気性が悪くなっているので注意が必要です。
すのこ収納ベッドが少ない
日本独自のベッドとして、「すのこベッド」があります。
床板がすのこになっているベッドは、マットレスが空気に触れる面積が広く乾燥しやすいメリットがあります。
収納ベッドの中にも床板がすのこ仕様になっているベッドはありますが、残念ながらそこまで数は多くありません。
またすのこ収納ベッドになっていても、ベッドの通気性を劇的に改善出来るわけではないので、いずれにしてもカビ対策は必要と言えます。
カビが生える3つの要因
カビは一つの胞子が芽を出すと、それがあっという間に増えてコロニー(生物集団)を作ります。
コロニーになったカビは、更に増殖を繰り返して人やペットに健康被害をもたらします。
カビの胞子を吸い込む事で喘息などのアレルギー症状や、夏型過敏性肺炎、気管支肺アスペルギルス症を引き起こします。
また、カビに触れると水虫などの皮膚疾患になる事もあります。
ではどのような環境になると、カビが増殖するかと言うと、
- 湿度が高い
- 温度が高い
- 餌がある
の3つがあります。
1.湿度が高い
カビは湿度が65%を超えると繁殖し始めて、80%を超えると爆発的に増殖します。
日本では3月から11月まで湿度が65%を超えていますし、冬場でも加湿器を使うと部屋の湿度は高くなるのでカビが繁殖します。
2.温度が高い
カビは20度~25度の温度を最も好みます。
温度が40度を超えると死滅しますが、0度以下の環境では繁殖は止まるものの死滅する事はありません。
日本では、梅雨の6月と台風が来る9月に平均温度が20度~25度になります。
この時期は湿度も一番高いので、カビが最も活動的になるので注意が必要です。
3.餌がある
収納ベッドを使う時には、必ずシーツやカバーを付けるようにします。
と言うのも、カビは人間の皮脂やフケが大の好物だからです。
シーツを付けずにマットレスに直接寝ると、寝汗で適度な湿り気があるうえに皮脂汚れなどの餌もあるので、カビが大繁殖してしまいます。
収納ベッドのカビ対策方法
では収納ベッドを使う時に、どのようにしてカビ対策を行うかと言うと、
- 除湿シートを敷く
- 引き出し・収納庫に除湿剤を入れる
- 床板を除菌する
- シーツ・カバー類を小まめに洗濯する
- 布団乾燥機を使う
- マットレスを立てかける
- ベッド下の収納には使用頻度の高いものを入れる
- 通気性の良いマットレスを選ぶ
- 床板がすのこの収納ベッドを選ぶ
と言った方法が効果的です。
1.除湿シートを敷く
ベッドで一番カビが繁殖しやすい場所は、床板とマットレスの裏側です。
寝ている間にかいた汗が湿気となって溜まるので、ここに除湿シートを敷くのが最もカビ対策には効果が高くなります。
マットレスの上に除湿シートを敷いても同じように効果がありますが、寝心地が悪くなるので下に敷く方がおすすめです。
2.引き出し・収納庫に除湿剤を入れる
収納ベッドでは引き出しや収納庫に風が入り込みません。
そのため、除湿剤を入れて常に乾燥させた状態にする事でカビを予防する事が出来ます。
3.床板を除菌する
収納ベッドを購入した時に、予め床板を除菌するのもおすすめのカビ対策です。
消毒用アルコールを使い、軽く床板を拭いて乾燥させてからマットレスを置くとカビが繁殖しにくくなります。
4.シーツ・カバー類を小まめに洗濯する
収納ベッドに限らずシーツやカバーを付けて、小まめに洗濯するのは大切です。
カビがシーツに繁殖すると、皮膚疾患にもつながるので衛生的な環境を整えるようにしましょう。
5.布団乾燥機を使う
カビは乾燥や高温下では死滅します。
布団乾燥機の温度は60度程度あるので、マットレスに布団を被せた状態で乾燥させる事でカビを一網打尽にする事が出来ます。
特にチェストベッドや跳ね上げ式ベッドは、薄手マットレスになっているので、短時間でマットレスや床板を乾燥させる事が出来ます。
また布団乾燥機はダニ対策としても有効なので、喘息などのアレルギー症状がある方は是非活用してください。
6.マットレスを立てかける
収納ベッドでは新鮮な空気がマットレスの裏側に入り込みにくくなっています。
そのため、1カ月に1回で良いので、マットレスを立てかけて空気に触れさせてください。
この時、マットレスの上下や表裏をひっくり返す「ローテーション」を行うと、マットレスの寿命を延ばす事が出来ます。
7.ベッド下の収納には使用頻度の高いものを入れる
ベッド下にある引き出しや収納庫には使用頻度が高い荷物を入れると、定期的に開閉するので湿った空気を追い出す事が出来ます。
引き出し式収納ベッドであれば洋服やタオル、チェストベッドであればコミックやバッグ、跳ね上げ式ベッドでは趣味で使う道具などを入れると良いでしょう。
この時窓を開けて換気をすると、外の空気を取り込めるのでより効果がアップします。
8.通気性の良いマットレスを選ぶ
カビが気になる方は、通気性の良いマットレスを選ぶのも一つの方法です。
ポケットコイルマットレスはコイル一つ一つが袋に入っているので通気性が良くありませんが、ボンネルコイルマットレスやマルチラススーパースプリングマットレスなどは空気の通りが良くなっています。
9.床板がすのこの収納ベッドを選ぶ
数は少ないですが、チェストベッドや跳ね上げ式ベッドの中には、床板がすのこ仕様のものがあります。
ベッド下が塞がっているので効果は限定的ですが、北向きの部屋や湿度が高い間取りでは取り入れるのも良いでしょう。
まとめ
収納ベッドはベッド下が密閉されているので、湿気が籠りやすく放置しているとすぐにカビが繁殖します。
カビ対策には湿度を下げる事と、カビの餌となる皮脂汚れを落とす事が大切です。
収納ベッドを使う時には、除湿シートをマットレスの下に敷いたり、シーツやカバー類を小まめに洗濯するなど対策を取ってください。